平成20年3月定例議会 施政方針
本日ここに、平成20年第1回定例市議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席を賜り、厚くお礼を申し上げます。

開会にあたり、市政運営についての所信を申し述べますとともに、平成20年度当初予算案について、その概要をご説明申し上げます。

右肩上がりの経済成長が過去のものとなり、国も地方も厳しい財政状況に直面している今日、合併によって新たに誕生した雲仙市が確実に成長するには、市民の皆様との連携を密にして、新たな時代を切り拓く強い意志と市民協働による行財政運営に挑(いど)む姿勢が必要であります。

こうした考えの下(もと)、私は、市長就任以来、市政の情報をできるだけ分かりやすく提供し、情報の共有化を図るとともに、市民の皆様のご意見を広く市政に取り入れるなど、市政への市民参画を促進しているところであり、今後も引き続き、「市民主役」「市民総参加」を第一として市政運営に取り組んでまいります。

また、本格的な地方分権時代を迎え、常に他の市町と比較されるという自治体間競争の時代の中にあって、これまでの国や県から言われたことをやるというだけでなく、政策集団として、「提案する市政」の実現に向け努力してまいります。

さらに、厳しい財政状況の中にあっても、市民の皆様の暮らしを直接支える事業や将来の発展のために、今、手がけるべき事業については、「選択と集中」を念頭に積極的に推進するとともに、平成20年度からの取り組みとして職員の創意工夫によって、既存の人材や施設をうまく活用し、特段の予算措置を必要としない「ゼロ予算事業」を取り入れ、さらには、事業実施後、その成果を評価・検証し、評価結果を翌年度以降の事業などに反映する行政評価制度を導入し、市民満足度の高い、成果重視の行政への転換を目指してまいります。

加えて、職員による公金などの横領や贈収賄(ぞうしゅうわい)、飲酒運転が相次いで判明し、市民並びに議員の皆様にご心配、ご迷惑をおかけしましたことにつきまして、ここに改めて深くお詫(わ)び申し上げますとともに、今後、再発防止に向けて、職員全員が心を一つにして、不退転の決意で臨(のぞ)んでまいりたいと存じます。

また、昨年策定いたしました「雲仙市総合計画」を実現するためには、市の組織体制を、施策の方向性に的確に対応させるとともに、責任と権限を明確にした組織体制へ再編することが必要であり、そのための組織改正を4月に行いたいと存じます。


それでは、以上のような姿勢を基本としながら新年度に取り組む主な取り組みについて、「雲仙市総合計画」の6つの基本方針に沿ってご説明いたします。

1.みんなでつくるまちづくり
【市民満足度の高い、成果重視の行政運営について】
限られた財源の中で、市民満足度の高い、成果重視の行政運営を実現するためには、時代に合わなくなった仕組みや考え方を思い切って見直すとともに、市民の皆様のニーズを的確にとらえて、予算を効果的に配分することが必要であります。

このため、市が実施している事業について、一定の指標を用いて、その成果を検証した上で、必要性・効率性・有効性・公平性の観点から評価し、評価結果を翌年度以降の事業内容の見直しなどに反映する「行政評価制度」を導入します。

また、合併後実施した事業や施策について、市民の皆様の満足度及び重要度を調査し、調査結果を今後の事業推進等に反映させてまいります。
 
【住民参加型公募地方債「雲仙ゆめみらい債」の発行について】
市民の皆様に市が行っている事業に関心を持っていただくとともに、市の資金調達にご協力いただくことを目的として、平成20年度に新たに、住民参加型公募地方債「雲仙ゆめみらい債」を発行し、市民の皆様の市政への参画を一層推進してまいります。
 
【ふるさと応援推進事業について】
雲仙市をふるさととして都会等で暮らす方々の中には、ふるさと雲仙市を応援したいと考える皆様も多数おられるものと考えます。

こうした皆様から寄せられる寄附金については、地方自治体への寄附金を対象として住民税の税額控除を講じる、いわゆる「ふるさと納税」制度が平成20年度地方税制改正案に盛り込まれておりますが、雲仙市といたしましては、かかる寄附金を積極的に募り、貴重な財源として活用してまいりたいと考えております。

このため、今議会に「ふるさと応援寄附条例」の制定を提案するとともに、寄附していただいた方に謝礼として、雲仙市の優れた商品を送付するため、雲仙ブランドを中心としたお土産品の開発を行う予算を計上させていただいております。
 
【男女共同参画の推進について】
「雲仙市男女共同参画計画」につきましては、先般策定したところでありますが、計画の初年度となる平成20年度は、企画課内に設置しております、男女共同参画センターにおいて、男女共同参画に関する情報提供や啓発及び講座を実施するとともに、関係各部局が実施する各種事業など、さまざまな機会を通して、計画の基本理念である「男女が互いを認め合い、尊重し、協力し合うまち 雲仙市」を目指し、努力してまいる所存であります。
 
【滞納徴収の強化について】
市税徴収につきましては、市民の不公平感をなくすため、滞納整理班の職員増や徴収専門員の配置などを行い、徴収体制の強化を図っているところでございますが、平成20年度は、滞納徴収を更に充実するため、徴収専門員を増員するほか、滞納管理システムを導入し、収納情報の一元化による滞納整理事務の適正化と効率化を図るとともに、市営住宅使用料や保育料など税以外の徴収金についての活用も検討してまいります。
 
【電算・介護保険事務の市単独処理について】
現在、島原地域広域市町村圏組合において半島3市で共同処理を行っている電算・介護保険業務につきましては、市民サービスの向上と経費節減等のため、市の単独処理への移行を目指しているところでありますが、議会におかれましても、両業務の単独化の方針にご理解をいただき、同意が得られていない南島原市及び南島原市議会に対し、「電算・介護保険業務の単独処理に係る要望書」を提出していただくなど、その推進にお力添えをいただいているところであり、大変心強く、深く感謝申し上げる次第であります。

平成20年度におきましても、早期の両業務単独化の実現が図れるよう、本市と同様の方針である島原市と連携しながら、南島原市のご理解とご同意を得るべく、精一杯努力してまいる所存でありますので、議会におかれましても引き続きご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
【総合窓口の開設について】
窓口業務につきましては、市民の皆様にとって親切でわかりやすい窓口となるよう、平成20年4月から総合窓口を開設し、市民の皆様が、各種届出や申請、証明書の発行手続きを、原則として1箇所で済ませることができる「ワンストップサービス」を提供してまいります。

今回の総合窓口は、第1期の総合窓口と位置づけ、まずは現在の電算システムで対応可能な業務内容により開設することとしておりますが、電算システムの単独化が実現すれば、さらに、市民の皆様にとって利便性の高い「ワンストップサービス」を提供してまいる所存であります。

また、平成20年4月から新たに、勤務時間内に来庁できない市民の皆様を対象に予約による証明書等の発行をゼロ予算事業として実施いたします。
 
【庁舎建設検討事業について】
庁舎建設の検討につきましては、平成19年度から庁舎建設市民懇話会を設置し、各地域審議会の意見をもとに、雲仙市にふさわしい庁舎のあり方について、市民の皆様の意見を求めているところであります。

平成20年度も引き続き検討をお願いするところでありますが、庁舎建設を行う場合の財政負担等の課題に対し、市民の皆様の意見として庁舎建設市民懇話会にご意見をとりまとめていただき、雲仙市にふさわしい庁舎整備のあり方を検討するうえでの参考とさせていただきたいと存じます。
 
【行政改革の推進について】
行政改革につきましては、平成19年3月に策定いたしました行政改革大綱及びその具体的な行動計画を定めた行政改革実施計画(集中改革プラン)に沿って改革を推進しております。

平成19年度においては、職員の定員適正化に向けた職員数の削減及び新たな指定管理者制度の導入を図ったところであります。

平成20年度は、民間委託等の推進や事務事業の見直しなど市の担(にな)うべき役割の重点化、行政ニーズの迅速かつ的確な対応を可能とする組織・機構の見直し、職員の定員管理及び給与の適正化、電子自治体の推進、並びに行政評価制度の導入を図ってまいります。

具体例としては、公立保育所について「公立保育所あり方検討委員会」を設置し、公立保育所の今後の運営などについて検討を行い、検討結果を踏まえ、着実に推進してまいります。

なお、改革の進捗状況については、市報やホームページなどで公表する予定であります。
 
【入札制度改革について】
入札制度改革については、平成18年度に提出された入札制度検討委員会の提言をもとに、平成19年度は制限付一般競争入札の導入と、入札監視委員会の設置を実施いたしました。

平成20年度においては、制限付一般競争入札を3千万円以上の工事に広げるとともに、市内営業所の入札資格要件の制定、系列会社の同一入札への参加制限等を推進し、引き続き公正な入札を目指してまいりたいと存じます。
 
【合併3周年記念スポーツイベント開催について】
市民相互の交流を深め、市の一体感をさらに醸成するために、合併3周年記念スポーツイベントを開催いたします。

まず、合併3周年当日にあたります、本年10月11日、土曜日に、「合併3周年記念市民体操会」として、NHKラジオで毎朝6時30分から生放送で全国に向けて放送されている「ラジオ体操」を吾妻農村広場において開催いたします。

翌12日、日曜日には、一昨年開催いたしました「合併1周年記念ふれあいスポーツフェスタ」を継承するものとして、「合併3周年記念市民運動会」を、愛野総合運動公園を会場として開催いたします。

各種団体の代表者からなる実行委員会を結成し、市民挙(あ)げての運動会となるよう計画してまいります。

2.快適で住みよい暮らしづくり
【下水処理施設整備の推進について】
生活環境の改善と公共用水域の水質保全を目的に進めております、下水処理施設の整備につきましては、千々石地区の公共下水道事業が、平成19年度をもってほぼ完了し、平成20年度は、瑞穂地区第2期、吾妻地区第3期の特定環境保全公共下水道事業を引き続き整備してまいります。

浄化槽市町村整備事業につきましては、瑞穂・吾妻の中山間地区を進めてまいります。

それ以外の地区については、個人設置型の浄化槽を継続して進めてまいります。

また、下水道の供用が開始された地域におきましては、下水道の意義をご理解していただき、早期接続の減免制度や宅内改造資金の無利子融資制度を更にPRし、加入率の向上を図ってまいります。

なお、現在、公共下水道が未整備である地域につきましては、今後、引き続き調査・研究してまいります。
 
【安心、安全のまちづくりについて】
雲仙市防災行政無線の統合につきましては、平成24年度の完成に向け整備しているところでございます。

平成20年度は、当初計画しておりました瑞穂地区の屋外子局・戸別受信機の整備に加え、平成21年度以降に予定しておりました吾妻地区及び千々石地区の戸別受信機を前倒しして整備してまいります。

また、合併後初となる総合防災訓練を11月9日に実施いたします。

市民の生命・財産を保護し、安心した生活の確保のため、消防、警察などの防災関係機関を始め、自主防災組織の方々にも参加いただき、住民避難訓練や高齢者・障がい者などの災害時要援護者安否確認訓練、火災消火訓練、非常食炊き出し訓練など、総合的な訓練といたします。

また、市におきましては、本年度、災害時要援護者の方々の安心・安全の確保のため、自助、共助を基本とした「雲仙市災害時要援護者避難支援計画」を策定することとしておりますが、平成20年度におきましては、「どのようなときに、どのように行動すればいいのか」を分かりやすくまとめた、本計画の概要版を作成し、市民の皆様全世帯へ配布することとしております。

加えて、災害時要援護者や福祉施設、病院の所在を地図上に表示した、防災福祉マップ「雲仙市地域ささえ愛マップ」を作成いたします。

この防災福祉マップは、県内では始めて作成するものであり、支援をお願いする市消防団、各自治会及び消防署、警察署などに配布し、より一層の市民の安心・安全の充実を図ってまいりたいと考えております。

急傾斜地崩壊対策事業については、愛野地域1箇所、小浜地域2箇所の3箇所を実施しますが、危険箇所については随時指定し、早急に対応を図ってまいります。

河川改良事業については、千々石金屋川、小浜黒谷川、南串山西浜川の3河川の整備事業を実施いたします。

また、地震発生による住宅倒壊等の防止及び被害軽減を図るため、昭和56年以前に建てられた木造住宅を対象として耐震診断及び耐震改修工事を支援しておりますが、平成20年度も、引き続き支援することとし、安全・安心の住まいづくりの充実を図ります。

さらに、住民の救命率の向上に対応するため昨年、本庁及び各総合支所に自動体外式除細動器(AED)を設置いたしましたが、平成20年度は学校や観光施設など主な公共施設19箇所に設置し、迅速に対応できる体制を整えます。
 
【交通網の整備について】
市内を安全かつ快適に往来できる交通網の整備につきましては、主な市道整備として、諫早湾干拓堤防道路と広域農道との連絡を図るため、市道吾妻平木場線の未整備区間を整備するほか、国立公園である雲仙地区の主要市道新湯小地獄線、湯ノ里線の整備に着手いたします。

また、市道国見多比良土黒線浜田橋架け替え工事につきましては、着工が1年遅れましたが、平成21年度完成に向け努力してまいります。

市道整備の全体といたしましては、平成20年度は、47路線の改良工事を予定しております。
 
【雲仙市交通体系の整備について】
島原半島におきましては、昨年4月の県営バスの半島からの撤退に続き、本年3月末には、島原鉄道南線の廃止が予定されており、公共交通に係る住民を取り巻く環境は、大変厳しいものとなっております。

このため、市におきましては、平成19年度中に住民の生活交通の確保を図るための「雲仙市地域公共交通総合連携計画」を策定し、今後、本計画に沿って、鉄道、バス及び乗り合いタクシーなど、各公共交通機関の連携を図るとともに、市民の皆様との協働による、更なる効率的な交通手段等についての検討を行い、交通事業者・地域住民・行政が一体となった持続可能な交通体系の構築を目指す所存であります。
 
【高度情報化の推進について】
平成18年度に整備しました光ファイバーによる高速回線網につきましては、電光表示板や「ほっと@うんぜん」などの配信サービスに有効に活用しているところでございますが、今後さらに、この高速回線網を活用して、「いつでも・どこでも・誰でも」情報の利活用が出来る事を目指し、雲仙市に即した地域情報化を推進するため、平成20年度に、「地域情報化計画」を策定いたします。

また、市役所への電話につきましては、総合支所で用件が済まない場合、これまでは本庁へ掛けなおしをしていただいておりましたが、平成20年度に、本庁・総合支所間、並びに総合支所間同士の内線化を行い、市民の皆様が、市役所の本庁、総合支所のどこへ電話を掛けられても、掛けなおしをしなくても済むように整備してまいります。
 
【自然と共存する地域づくりについて】
本市のかけがえのない豊かな自然環境を守り、次の世代に引き継ぐための「自然と共存する地域づくり」については、EMを利用した生活排水の浄化対策や、定期的な河川の水質検査、環境カレンダーの作成配布、さらに、市民の皆様からの要望が多い生ごみを肥料化し循環型社会の形成を促す生ごみ処理機器購入補助事業に積極的に取り組み、自然環境の保全推進に取り組んでまいります。

また、昨年4月に長崎大学、長崎県環境部及び雲仙市の三者による、連携・協力を協定いたしました「Eキャンレッジプログラム」につきまして、平成20年度は、協定の目的であります、雲仙市域における環境教育及び環境施策の研究・充実を図るための地域の拠点を形成するため、「地球温暖化防止対策行動計画」の策定とともに、市内におきまして、市民の皆様を対象とした大学の公開講座を実施するほか、バイオマス資源の循環利用等の新エネルギーに関する検討を行うなど、長崎大学の学生も巻き込んだ活動を展開する予定であります。

3.笑顔いっぱいの健康と福祉づくり
【健康な地域づくりについて】
市民1人ひとりが、心身ともに健やかな人生を送ることができますよう、平成20年度も各種健診事業、母子保健事業、予防接種事業等に取り組んでまいります。

なかでも新規事業として、若い頃から健康に関心を持っていただくことで、生活習慣病予防につなげるため、20歳から39歳までを対象にした若年者健診を実施してまいります。

また、平成19年度において市民の皆様とともに策定しております「健康うんぜん21」を行政、市民一体となって推進し、健康に対する意識を高めることで、健康状態、ひいては生活の質が向上するよう努めてまいります。

さらに、運動面から健康な地域づくりを推進するための新たな住民組織として、健康推進員を養成し、既存の食生活改善推進員の活動と合わせ、地域での健康の輪を広げていきたいと存じます。

また、平成20年度から医療保険者に義務付けられます40歳から74歳までを対象にした特定健診・特定保健指導につきまして、雲仙市国民健康保険では、より多くの皆様方に安心して受診していただくため、ご要望が多かった健診料の個人負担について無料とし、受診率45%の目標達成に努力してまいります。
 
【安心できる高齢社会の実現について】
高齢者ができる限り要介護状態になることなく、在宅で健康な生活を送ることができるよう、平成20年度も引き続き介護予防や健康教育に努め、相談体制の充実を図るとともに、文化・地域活動等の多様な社会活動への参加を促進するなど、高齢者の生きがい対策を推進してまいります。

また、一人暮らしや高齢者のみの世帯で援助が必要な方の不安の解消、安全確保、安否確認を目的とした「緊急通報体制等整備事業」、配食サービスを行う「食の自立支援事業」、高齢者の社会活動の範囲を広め自立更生を助長するため、タクシー代の一部を助成する「高齢者交通費助成事業」に引き続き取り組みます。

また、平成20年4月1日から新たに後期高齢者医療制度が始まることに伴い、雲仙市後期高齢者医療特別会計を設置することとし、今議会に関係条例を提案いたしております。
 
【平等な社会の実現について】
障がいのある人もない人も、地域社会の中で、ともに支えあい、ともに暮らしていくことができる平等で自立を目指した社会づくりのため、平成20年度も障害者自立支援事業をはじめ各種制度のもと事業を継続してまいります。

また、保健、医療、福祉、就労関係者等で組織する自立支援協議会を平成20年度に設置し、障がいのある人のさまざまなニーズに対応できるよう幅広い分野で一体的に協議を行い、障がいのある人の自立に向けた支援の充実に努めます。

母子及び寡婦福祉につきましては、母子・寡婦世帯の生活安定と向上を目的に、自立を支援するとともに、関係機関との連携を密にし、雇用促進と併せ、児童の健やかな成長に配慮した母子・寡婦福祉の推進を図ってまいります。

4.力強い産業と仕事づくり
【農林水産業の振興について】
現在、農林水産業においては、長期の出荷価格の低迷に加え、世界的、全国的な状況であります原油高騰が、燃油のみならず、生産資材にまで影響を及ぼし経営を圧迫している状況であります。

市といたしましては、市内農林水産業の活性化を維持するため、臨時的施策として、制度融資利用者の利子負担が実質無利子となるよう、利子補給制度を創設して対応してまいります。

また、農林水産業の振興を目的に、市の単独事業として実施してまいりました「農業パワーアップ対策事業」及び農林水産業の「提案型パワーアップ対策事業」については平成19年度をもって廃止し、平成20年度からは「雲仙市農林水産ゆめみらい事業」として再構築を行い、「担い手対策」や「ブランド化に向けた生産振興対策」、「安心安全な産地づくり」などを支援してまいります。

特に、「やる気のある農林水産業者等の創意と工夫に基づく提案型の事業」については、大幅に採択基準を緩和して支援してまいります。

また、畜産振興では、肉牛部門での「地域一貫生産体制の確立」を目標に掲げ、新たに雲仙市内で生産された肥育素牛の導入に対する支援を行い「雲仙牛」のブランド化を推進することにより、地域内肉用牛生産農家の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 
【雲仙ブランドの確立及び流通対策について】
「雲仙ブランド」につきましては、平成20年1月11日に特許庁の商標登録を受け、ブランド確立に向け、積極的に取り組んでいるところであり、平成20年度におきましては、雲仙ブランドに認定された商品を紹介する冊子を作成し、販売促進に活用するほか、観光産業との連携も行い、販売戦略を展開しながら、全国レベルのブランド確立を目指してまいります。

また、新規事業といたしまして、雲仙ブランド商品をはじめ市内農林水産物及び加工品、商工製品を一同に集めた「雲仙市産業まつり」を開催することにより、市内外に雲仙市の優れた商品をPRし、販路拡大、販売促進を図ってまいります。

また、イタリアスローフード協会で認定を受けた「雲仙こぶ高菜」「エタリの塩辛」をはじめ、市内各地域で伝統的に食され継承されている食材などを集めた「伝統食フェア」を開催し、地域に眠る食文化に光をあて、継承し、新たな品目導入や食品開発に取り組んでまいります。

さらに、平成20年度から新たに、市内の農林水産物やその加工品を積極的に取り扱う市内の食料品店、飲食店、旅館等を「雲仙市地産地消の店」として認定し、広くPRすることにより、地産地消を推進し、農林水産業、並びに食品関連産業の活性化につなげてまいります。
 
【企業誘致の推進と地場企業の育成について】
企業誘致の推進については、本市独自の奨励金制度を創設し、各種広報機関紙への掲載や企業訪問により積極的に企業側へアピールしてきたところであり、平成19年度には、1企業の規模拡大が実施され約40名の新規雇用が見込まれるところでございます。

また、現在、企業立地促進法に基づく基本計画について、国の同意を得るべく準備を進めておりますが、同意後は、税の優遇、緑地規制の緩和等の支援措置はもちろんのこと、国に登録されることから、食品加工製造業や機械・電気・電子部品製造業を中心に全国の企業へ更にアピールできるものと考えております。

さらに、雲仙市工場等設置奨励に関する条例の奨励業種に「医療業」を加えることにより、医師の確保を図り、「安心、安全のまちづくり」という基本計画の推進と雇用確保に努めてまいります。

また、新規立地企業に対し40歳から55歳までの新規雇用があった場合、奨励金を交付するなど中高年齢層の雇用促進を図ってまいりたいと考えております。

一方、地場企業の育成につきましては、優れた事業計画をもって新たに事業を起こしたい又は経営改革を行いたいという個人や中小企業を対象として、創業や経営改革に係る経費を助成する「雲仙夢トライアル事業」を創設することにより、新事業・新産業の創出を図ってまいります。

また、原油高騰対策につきましては、商工分野におきましても、市内中小企業者が借り入れる長崎県地域産業対策資金(原油高騰対策)の利子負担が実質無利子となるよう、利子補給制度を創設して対応してまいります。
 
【地域雇用創造推進事業(新パッケージ事業)について】
本事業につきましては、昨年9月に厚生労働省から採択され、平成21年度までの3カ年の予定で、各種の人材育成講座を開催することとしております。

本年度は農業振興分野で2コース、観光振興分野で4コース、誘致企業・地場産業振興分野で2コースの計8コースの講座を開催し、101名の受講生の参加を得ているところでございます。

平成20年度はさらに、近年増加傾向にある外国人観光客に対応できる語学を習得していただくため、「外国語講座」を追加して開催いたします。

本事業を通じ、様々な分野で優秀な人材を育成し、雇用の創出に努めてまいりたいと存じます。

5.新しい観光・交流による活力づくり
【地域資源を活かした観光の振興について】
農林水産業と並ぶ本市の基幹産業であります観光につきましては、過去11年間、下降傾向にあった雲仙・小浜温泉の宿泊客が平成19年には、対前年1.7%向上し、ようやく下降傾向に歯止めがかかりました。 

そのため、平成18年度を底とし、さらに観光客・宿泊客の増加を図るべく、平成20年度は、雲仙市観光協議会の組織強化と事業の充実を支援してまいります。

まず初めに組織強化につきまして、事務局長クラスの専任スタッフを全国公募し、外部から招聘いたします。

事業につきましては、 行 政 との業務分担を明確にし、行 政 は観光施策の企画部門を、観光協議会は、宣伝活動をそれぞれ主として担当し、取り組んでまいります。

また、平成20年度は、外国人観光客、特に韓国及び中

国からの誘致に積極的に取り組んでまいります。

韓国につきましては、昨年5月に韓国求礼郡との姉妹締結を行い、官民共に交流が活発に図られているところでございますが、平成20年度はさらに観光、農業、スポーツ、文化及び福祉など民間レベルの交流を広げてまいります。

中国につきましては、本年5月に、北京で「日本国長崎県フェア」が開催されますが、雲仙市もこれに参加し、フェア来場者に雲仙市をPRするとともに大手旅行会社等を訪問し、中国人観光客の誘致を図ってまいります。

同時に、友好交流を中心とした自治体同士の接触も今後模索してまいります。

また、平成20年度は、5月に1万2千人規模の「第108回日本外科学会」が、11月には2万人規模の「カトリック列福式」が長崎市で開催されます。

いずれも長崎市だけでは客室が大幅に不足いたしますので、この不足分をできるだけ数多く、雲仙市に取り込むべく努力いたしてまいります。

さらに、本年10月には、本市において「第14回全国棚田(千枚田)サミット」が開催されます。全市を挙げて歓迎体制をとり、このビッグチャンスを逃さず本市の観光PRに全力を注いでまいります。
 
【地域間を結ぶ基幹交通網の整備促進について】
農林水産業、観光業をはじめとする雲仙市の産業の発展に大きな効果が期待されます「地域高規格道路島原道路」及び一般国道57号森山拡幅につきましては、国や県と連携し早期実現に向け引き続き積極的に取り組んでまいります。

また、昨年12月22日に暫定開通いたしました「諫早湾干拓堤防道路」につきましては、その利便性を広く宣伝し、隣接する諫早市はもとより、島原半島が一体となって、JR九州・地元バス会社・旅行代理店との連携を強化し、新しい観光ルートの開発を進めてまいります。
 
【地域間交流の推進について】
本年1月、長崎県内で初めて、サッカーJ2「モンテディオ山形」の長期キャンプを誘致することに成功いたしました。

今後、このキャンプを平成20年度以降も継続していただくよう努力するとともに、これを機にキャンプ応援団など山形県の皆様との交流を進めてまいりたいと存じます。

また、姉妹都市である霧島市との交流につきましては、3月30日に開催されます「第2回雲仙クロスカントリー大会」に、霧島市から10数名の中学生を派遣していただく予定でありますが、今後さらに、市民間交流を促進してまいります。

韓国求礼郡との交流につきましては、昨年5月の姉妹結縁の締結後、これまでに、両議会の相互訪問や雲仙温泉における「雲仙&求礼郡祭」の開催、本市の農産加工組合の訪問・研修など、官民共に活発な交流が図られているところでございます。

平成20年度は、姉妹結縁締結1周年の記念の年になることから、求礼郡での記念式典の開催及び答礼訪問や民間交流を予定しております。

さらに、市議会の求礼郡訪問の際、求礼郡守から申し入れがありました、4月の「押し花展」、7月の「サッカー交流」の求礼郡開催の実現に努めてまいりたいと考えております。
 
【良好な景観づくりについて】
雲仙市には、風光明媚な自然景観や個性ある美しい街なみなど、良好な景観が市内各所に残っておりますが、市といたしましては、この貴重な財産を大切に次の世代へ引き継ぐことが必要であると考えております。

このため、平成20年度から、景観計画の策定及び景観条例の制定に取り組んでまいります。

また、平成18年3月、市の花にミヤマキリシマを、市の木にヤマボウシを制定いたしましたが、そのPRと普及を図るとともに美しいまちづくりを推進するため、平成20年度から、市内で住宅を新築され方にミヤマキリシマ及びヤマボウシの苗木を、雲仙市内へ転入された方に、ミヤマキリシマの苗木を贈呈し、庭に植えていただいたり、窓辺に飾っていただくなどにより、美しい集落を創造する「ミヤマの里づくり事業」を推進してまいりたいと存じます。

また、雲仙古湯地区では、住民による手づくりの観光まちづくりを目指して住環境の改善を含めた再生調査を実施され、まちづくりの住民協定を結ぶなど街なみ環境整備に向けた取り組みが進められており、市も支援してきたところでございますが、平成20年度からは、国の補助事業であります「街なみ環境整備事業」によって、排水路及び通路の整備、道路の美装、建物の修景整備助成などに取り組んでまいります。

なお、建物の修景整備につきましては、整備年度ごとに建物修景デザインコンテストを実施し、市内及び市出身建築士の設計力の向上や市内建設業者の事業量の確保、並びに良好な景観形成の促進を図ってまいります。
 
【国民宿舎「望洋荘」の施設改修について】
国民宿舎「望洋荘」につきましては、本年度、施設改修の調査設計を行うとともに改修後10年間の財政見通し、並びに建設財源の検討を行ってまいりましたが、時宜に応じた料金改定、各種割引制度の創設など積極的な誘客対策を行なった結果、平成18年度に比べ1月末累計で、宿泊者が1,105名(20.9%)、休憩者が2,177名(2.5%)の利用増となったところであります。この動きをさらに促すため、平成20年度に、大浴場1階への露天風呂の増設や全トイレの改修など、大規模な施設改修に取り組みたいと存じます。

施設改修後は、積極的なPRにつとめ、平成22年度の目標を宿泊利用者1万人、休憩利用者12万5千人と設定し、利用者増を図ってまいりたいと存じます。

6.明日を担う人づくりと誇りあるふるさとづくり
【健やかな子育て対策について】
児童福祉につきましては、急速な少子化の進行を踏まえ、次代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境の整備を図るため、各種施策を推進してまいります。

子育て家庭への支援といたしましては、仕事、育児の両立と地域の子育て支援のための「子育てサポートセンター事業」を引き続き実施するとともに、ゼロ予算事業として、携帯電話のメール機能を活用して子育て情報の発信を行う「子育てサポートメール便事業」や家庭で不用になった子育て用品の情報を提供する「子育てお宝用品紹介事業」に取り組んでまいります。

児童保育につきましては、延長保育や一時保育などの保護者のニーズに的確に応えるとともに、障がい児保育につきましても、引き続き取り組んでまいります。

なお、昨年設置いたしました「要保護児童対策地域協議会」などの関連機関との連携をさらに推進し、増加傾向にある児童相談に対し早期対応、早期解決に努めてまいります。
 
【特色ある学校教育の推進について】
平成18年度から展開しております、雲仙市スクールサポーター事業につきましては、学習活動のつまずきの解消や学習意欲の向上、校外学習における安全確保等、学習活動への支援のみならず、学校図書館の環境整備も含め、児童の読書意欲の向上に大いに成果を上げ、県内各地域から注目を集めているところであります。

平成20年度におきましては、これまでの小学校のみの配置から県内で初めて市単独予算で市内全小・中学校にスクールサポーターを配置し、学校教育法の改正により明確に位置づけられました、教育上特別の支援を必要とする児童生徒に対しての障がいを克服するための教育と、子どもたちの読書活動の一層の充実を図っていく所存であります。

また、雲仙市には、現在、市立図書館1館と6つの公民館等図書室がありますが、平成20年度には、平成18年度に整備いたしました光ファイバーによる高速回線網を活用し、これらの施設を結ぶシステムを構築してネットワーク化を図ってまいります。これにより、インターネットを利用して、市内のどの図書室からでも、市内はもとより県内の公立図書館等の蔵書を検索することが可能となり、市民の皆様の利便性の向上が図れるものと存じます。

また、雲仙市の小・中学校には、国のダイオキシン対策強化によって使用できなくなった焼却炉が、小学校に12基、中学校に6基残っておりますが、平成20年度から順次清掃撤去することとし、平成20年度には、全焼却炉18基の設計委託と小学校の3基の清掃撤去に取り組みます。

残りの焼却炉につきましても、平成23年度までには全て清掃撤去してまいります。

【平成20年度当初予算(案)について】
以上の取り組みを主な内容として編成しました平成20年度当初予算の総額は、一般会計255億8,119万6千円で、前年度に比べ、0.3%の減となっております。また、特別会計及び企業会計を含めた全会計合計は382億2,885万円で、前年度に比べ、13.8%の減となっております。

なお、公共事業については、国が3%の減とし、他の地方公共団体も抑制基調にある中、本市の一般会計では、設計費等の委託料、工事請負費、用地費及び補償費等の工事関連費を3.7%の増とし、一定の事業量を確保いたしております。

また、平成19年度に引き続き多額の財源不足が見込まれたため、財政調整基金4億円、減債基金15億円を取り崩して不足額を補てんいたしております。
 
次に、前定例会以降の市政に関する主な事項などについて、ご報告を申し上げます。
 
【職員の不祥事について】
平成19年12月31日に島原地域広域市町村圏組合(介護保険課)に派遣していた本市職員が、飲酒運転により逮捕されるという事態が発生いたしました。

平成18年11月22日に「雲仙市職員の交通違反の懲戒処分基準に関する規則」を制定し、職員に対して飲酒運転を絶対しないように常々指導しており、年末の仕事納め式の際にも綱紀粛正を指示し、文書通達も行ったばかりの時に、あってはならない事態が発生したことは、雲仙市及び職員に対する市民の皆様の信頼を著しく傷つけるもので、誠に残念であり深くお詫び申し上げます。

当該職員につきましては、同規則に基づき、直ちに当日付けで懲戒免職処分といたしました。

さらに、収賄罪で逮捕起訴されていた本市職員の最終公判が平成20年1月29日に行われ有罪判決が下されたため、同日付けで懲戒免職処分といたしました。

このように、職員の不祥事が続いたことに対しまして改めまして心よりお詫び申し上げます。

今後、三役はもとより、職員に対して更なる綱紀粛正について徹底を図り、市民の皆様から信頼されるよう全力で取り組んでまいります。
 
【学校給食における食品の安全確保について】
中国製ギョーザによる中毒問題につきましては、吾妻・愛野学校給食センターで11月8日に調理いたしました給食、6校分1,477食で、ジェイティフーズの自主回収対象の製品を使用していたことが判明いたしました。

幸い、児童・生徒に対する被害はあっておりませんでしたが、去る2月1日、市教育委員会を通じて、各学校給食センターに対し、「中国で加工・製造された食品を使用しないこと、また中国産の野菜などについても、安全性が確認されるまでの間、使用を控える」よう、指示したところでございます。

今回の事例を踏まえ、今後とも、食品の安全性の確保に万全の注意を払い、学校給食における、なお一層の衛生管理の徹底に努めてまいります。
 
【仁田峠循環自動車道路の市道認定について】
仁田峠循環自動車道路につきましては、平成18年度に長崎県から、観光振興の観点から無料開放を前提として雲仙市へ移管したい旨の申し入れがなされております。

市といたしましては、市道として供用するための再整備費や維持管理費等の財源、また無料開放した場合の誘客効果など、総合的に検討した結果、市道として認定・管理することが妥当であると判断いたしましたので、現在、南島原市長に対し、南島原市の行政区域となっている道路の一部について、区域外認定の承認をお願いしているところでございます。
 
【仮設観光直売所について】
昨年末の諫早湾干拓堤防道路の暫定供用開始に伴い、市内物産のPRとイメージアップ及び直売所経営のデータ収集を目的に開設した「雲仙市仮設観光直売所」につきましては、開設から約2カ月が経過したところでありますが、出店事業者の皆様のご協力のもと、順調に進められているところであります。

現在、出店事業者でもいろいろな試みを実施されるなど、販売努力もあり、1月末日までの1日平均の販売額は約41万円、1日平均の推定来客者数は1,080人と伺っております。

3月23日までのわずか3カ月間と短期間ではありますが、販売データやアンケート結果などにより、今後の直売所開設等の参考になるデータ収集ができるものと考えております。
 
【第10回全国和牛能力共進会の開催地決定について】
平成24年秋に長崎県で開催される第10回全国和牛能力共進会については、当初、雲仙市単独で要望しておりました雲仙市内開催を島原半島内開催へ変更して、島原市及び南島原市とともに、強力に県に対し要望してまいりましたが、昨年末の開催地決定の予定を大幅に延期して検討された結果、去る2月7日の第4回長崎県実行委員会において、メイン会場を佐世保市、サブ会場を島原市とすることが決定されました。

雲仙市といたしましては、今後は、第10回全国和牛能力共進会長崎大会の成功に向け最善を尽くしてまいりたいと存じます。

市議会議員の皆様、並びに市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。



以上をもちまして、平成20年度の主要施策並びに前定例会以降の主な事項等についての説明を終わります。

今後とも、市民の皆様と対話を進め協調、協働して、更なる雲仙市発展に全力で取り組んでまいる所存でありますので議員各位をはじめ市民の皆様方のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。